イメージの森

 お宮の森を背景に臨む位置。「森」の原型のイメージを、「樹」-垂直に伸びる方向性-柱状と「根」-地面に沿って水平方向に拡がる-アトランダムな組み合わせを作品化したものである。大地は、春には新緑と黄色の草花、夏には濃い緑の草ぐさ、そして秋には枯れた茶系の草に包まれ自然と照応する「場の作品」となった。夜間は裸電球の投光により中央部を明るく、周辺部は闇に紛れていく。静寂と温もりの「闇と光の森」の佇まいとなった。

投光器(500W×1基)、仮設電柱、タイマー柱状(高さ)500×2本、400×3本、300×5本、200×5本、150×1本根状垂木200本

イメージの森

5月、新緑の草よりも大地がよく見えていた
〈イメージの森〉は、切り出したばかりのように
サーモンピンクの木肌を晒していた
まるで夕陽に照らされているようだった

森の木々は上に伸びるために、根は譲り合って拡がるとか
“建築途中”“未来都市”“音階のよう”“裸形の森”
さまざまな人がさまざまなイメージを言葉にした
見えないものが見えたのだろうか

イメージの森

白けた現実が眠りにつくころ
忘れかけた記憶が蘇る
光を包み込む闇、闇を照らし出す光
光と闇の間に佇む〈イメージの森〉